ミスティック・リバー (2003):映画短評
ミスティック・リバー (2003)見終わった後「良い映画だった」と素直に思える優れた一作
ごちゃごちゃと余計な工夫はせず、ストーリーの強さと、俳優から最高の演技を引き出すことで物語を語るのが、クリント・イーストウッドの手腕。その傾向は近年ますます強まっているが、多作な彼にとっても代表作のひとつであるこの映画にも明らかだ。デニス・ルヘインが書いた物語は、先を読もうとする観客を、良い意味で裏切ってくれる。3人の幼なじみのキャラクターは、過去や家族関係までしっかりと練られている上、ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンらが演じることで、それぞれの悲しみ、辛さ、複雑な心のうちが、ずっしりと伝わってくる。見終わった後、「良い映画だった」と素直に思える、卓越した人間ドラマだ。
この短評にはネタバレを含んでいます