ゲキ×シネ「SHIROH」 (2005):映画短評
ゲキ×シネ「SHIROH」 (2005)『沈黙』と合わせて見たい傑作ミュージカル
再演を待ちわびつつ、改めて。
島原の乱を率いたのは、益田四郎時貞と、歌で人の心を操ることができるシローの2人だったという大胆な戯曲。しかもロックだ。
だがシロー役の中川晃教の歌が素晴らしく、
史実を巧みにアレンジして来た中島かずき脚本作品の中でも、これほど説得力ある話はないだろう。
彼の存在が崇高で清らかであればあるほど、
信仰に希望を見出した貧しき民衆のそれすらも奪おうとする現実の残酷さが際立つ。
劇団☆新感線なので娯楽要素も満載だが、
神とはなんぞやという普遍的なテーマを考えずにはいられないだろう。
ラストの原城籠城シーンは圧巻。
やっぱり生で見たいという願望が余計強まった。
この短評にはネタバレを含んでいます