メイド・イン・ホンコン (1997):映画短評
メイド・イン・ホンコン (1997)「雨傘革命」後に観る意義
中国への返還を前に、香港映画界に突如として現れた不良映画であり、純愛映画であり、伝説となったインディーズ映画。「未成年」など、日本ドラマからの影響や粗削り感は否めないが、衝動的といえる唐突すぎる展開や笑いなど、香港映画のエッセンスを詰め込みながら、映像と音楽の融合など、アート作品としてのクオリティの高さは、初公開から20年を経た今でも異端といえる。しかも、難病モノでありながら、その後に日本で量産される一連の作品とは一線を画しているのも特徴的だ。作り手の魂がフィルムに刻まれた普遍的な青春映画にして、「雨傘革命」後に観ることで、よりメッセージ性が強まってみえるのも興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます