スラムドッグ$ミリオネア (2008):映画短評
スラムドッグ$ミリオネア (2008)オスカー受賞に断然値する、斬新でモダンなおとぎ話
スラム出身の青年がクイズ番組に出演し、質問に答えていく中で過酷な生い立ちを振り返るという構成が、まず、よく出来ている。孤児たちがひどい大人たちに搾取される様子や、予想もせず人々を襲うバイオレンスなどは見ていて辛いが、それがあるからこそ、そんな中でもたくましく生きる彼らのエネルギーがより強く伝わるといえる。インドの街のごちゃごちゃ感、スピード感、A・R・ラーマンによる音楽もスパイスをたっぷりプラス。クイズ番組の展開が都合良すぎると言えなくはないが、それは問題ない。これは斬新でモダンなおとぎ話なのだから。エンディングも、それにふさわしく最高に感動的だ。
この短評にはネタバレを含んでいます