ゲッタウェイ スーパースネーク (2013):映画短評
ゲッタウェイ スーパースネーク (2013)ライター2人の平均評価: 2
増加するアメリカ映画の東欧ロケが本作では裏目に
妻を人質に取られた元カーレーサーが、正体不明の誘拐犯の指示でスーパーカーを強奪。さらに、車の持ち主である少女と共に壮大な犯罪計画へ加担させられる。
確かに、クラッシュ連続の激しいカースタントはなかなか迫力あるし、主人公たちが犯人の意図も目的も分からぬまま一方的に操られていく展開も巧みで悪くない。
とはいえ、ブルガリアを舞台にするため無理矢理こじつけたような主人公たちのキャラ設定が不自然。なので、物語がただのウソにしか見えず、予算の都合で海外ロケを行わねばならなかった裏事情まで透けてしまうのは興醒め。カーマニア&ハイテクマニアのお転婆令嬢がセレーナ・ゴメスってのもミスキャストだ。
いい根性してるな、このタイトル。
事の発端はとりあえず置いといて、冒頭から走りまくる意思を示してみせるカー・アクション映画。しかし、かつての『バニシング・ポイント』やH.B.ハリツキーの映画に比べると興を削ぐこと夥しい。本当はLA市街あたりを爆走したいところ、おそらく経費がかからずロケがしやすいのであろうブルガリアのソフィアで済ませた、というお手軽感もそうだが、主役が有名どころのイーサン・ホークというのが一番醒めさせるのだ。彼がスタントしてないのバレバレじゃないか。スタジオで、上半身アップのひとり演技してる姿が脳裏に浮かんでしまう。映画自体も危機感に欠け、車をクラッシュさせるばかりのワンパターンで途中で飽きる。