ファーナス/訣別の朝 (2013):映画短評
ファーナス/訣別の朝 (2013)観たことあるよね、こういうキャストのこういう映画。
『クレイジー・ハート』を観て、この監督にオリジナリティを求めるのは辛いと判っちゃいたが、やはりそうだった。オバマ政権誕生前夜の保守的な製鉄の町。斜陽の一途を辿るしかなく、工場に留まるかイラクへ行くか。選択肢が限られた若者の煩悶は迫るものがあるが、『ディア・ハンター』『羊たちの沈黙』『ウィンターズ・ボーン』など、ニュー・シネマ…いやニュー・シネマの子供たちの先行作を想起させる要素があまりに多すぎ。ただ脚本や演出的才能の弱さを埋めるのがこの監督のキャスティングの妙で、この題材にこれだけ豪華で役に似合った役者を揃えりゃ悪くなりようがないだろう、というところをきちんと押さえているのも才覚ではある。
この短評にはネタバレを含んでいます