シャドウハンター (2013):映画短評
シャドウハンター (2013)ライター4人の平均評価: 2.5
アクションとVFXは満載だけど新鮮味はゼロ
ある日突然、魔物を退治するシャドウハンターの特殊能力に目覚めた少女が、仲間と共に魑魅魍魎たちの邪悪な陰謀に立ち向かう。あれ、そんな映画ほかにもあったよね?などと訊くことすら野暮に思える既視感ありまくりなダークファンタジーだ。
なにしろ、近頃この手の作品は映画でもテレビでも溢れかえってる。吸血鬼やら狼人間やら魔法使いやらが入り乱れる世界ならば、「トゥルー・ブラッド」とか「GRIMM」のようなドラマの方がよっぽど斬新で凝っていると言えよう。
ただ、主演のリリー・コリンズとジェイス・ウェイランドの2人は魅力的。派手なアクションやVFXも揃っているので、単純明快な娯楽映画としては普通に楽しめる。
異人種間ラブにあこがれるティーン少女の夢叶えます!
『トワイラト』ブームに乗った、異人種ラブに憧れるティーンの夢叶えます的なラブ・ファンタジーだ。まずキャラ設定が上手。主人公クラリーはおたく少年が親友なアート系女子で、彼女が恋するジェイスはクールなシャドウハンター! 実際はクラリーも同類なので異人種ラブではないけれど、どんくさ女子とイケメンの恋はティーンにはおとぎ話効果大なのだ。さらにはジェイスと親友の間で一方通行のBLも進行して妄想女子も大満足。さて肝心の物語は怒濤の超速展開なので頭を柔軟にすべし。派手なアクションとCGを多用した妖魔との戦いをはさみながら次々と明かされる地下世界やクラリーの両親の秘密を消化するのに精一杯。ふ〜っ、忙しい。
既視感ばりばり。続編は微妙だな。
何百年と続いてきた闇の世界の内輪揉めに、高貴な血を受け継いだ一般人が巻き込まれ、そのうち眠っていた特殊能力が発現した彼/彼女とのあいだに種族を超えた三角関係が…って、またしても同工異曲のティーン向けファンタジー。ま、恋愛色が割と少なく、イケメンもクセありすぎじゃなく、眠気を誘う音楽も鳴らないので正直あのメガヒットサーガよりは観ていられるが、聖杯とか妖魔とかハンターとか狼男とかの設定にも、ゴス風のスタイルにも目新しさは希薄だ(そんなアンダーワールドにもゲイ差別があるのは面白いけど)。もともとこっち系の演技が好きらしいCCHパウンダーの狂態にだけ、コメディ色の強い監督H.ズワルトの味がある。
この顔ぶれに"ピン"とくるなら要チェック!
とにかく、ファンタジー映画でおなじみの人気俳優たちが大集合。
ヒロインは「白雪姫と鏡の魔女」のリリー・コリンズ。その恋人役は「トワイライト」サーガの吸血鬼ジェイミー・キャンベル・バウアー。ヒロインの母は「ゲーム・オブ・スローンズ」「300」共に王妃役のレナ・ヘディ。その恋人は「ホビット」随一のイケメンで「ビーイング・ヒューマン」の吸血鬼エイダン・ターナー。悪役は「THE TUDORS~背徳の王冠~」のジョナサン・リス・マイヤーズ。さらにジャレッド・ハリス、ケヴィン・デュランドも出演。
"この顔ぶれなら見なくては"と思うなら、期待通りのビジュアルが堪能できるはず。