天使の分け前 (2012):映画短評
天使の分け前 (2012)人生には希望がある。そして、感謝の気持ちを忘れてはいけない
ブルーカラーの人々の現実を鋭く伝え続けるケン・ローチの作品の中で、前向きな気分にさせてくれるのが今作。この映画でも、青年が負の連鎖に閉じ込められ、抜け出せない状況が描かれる。しかし、彼は、罪を犯して社会奉仕活動をさせられる途中、偶然、かつ幸運にも、自分が得意とすることを発見するのだ。後半、ハイスト映画的になっていくのも予想外で楽しいし、彼が出会う人々も個性的で信憑性たっぷり。ユーモラスな今作が教えてくれるのは、人生には希望がある、感謝の気持ちを忘れてはいけないということ。また、誰もが、他人の人生に良い形で影響を与える潜在性を持っているのだとも。
この短評にはネタバレを含んでいます