メアリーと秘密の王国 (2013):映画短評
メアリーと秘密の王国 (2013)森にはやっぱり小さな人たちが住んでいる
世界中に偏在する"植物の葉影には小さな人々が暮らしている"という伝統的イメージが、現代を舞台に甦る。現代の子供たちにもリアルに感じさせるため、小さな人々が人間の目に見えないのは彼らの運動速度が速いから、という設定に。監視カメラに録画された森を速度を落として再生すると、彼らに出会うことが出来る。
しかし主人公は森。温帯のどこにでもある普通の森に群生する植物たちの、それぞれの緑のバリエーションがハーモニーを奏でる。小さな人々の女王が、白い花弁のロングドレスを纏って池の水面を歩こうとすると、睡蓮の葉が次々に彼女の足元に身を差し出す。そんな静かで繊細な森の美しさが堪能できる。
この短評にはネタバレを含んでいます