飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲 (2013):映画短評
飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲 (2013)殺人鬼一家のバックグランドを軽率にも描いてしまった
モダンホラーの金字塔「悪魔のいけにえ」の続編。旧作のオリジナル映像を3Dコンバートしたオープニングはかなりアガるのだが、残念ながら結果的に見どころはそれだけだった。そもそもの過ちは、殺人鬼一家の“人間ドラマ”的バックグランドを軽率にも描いてしまったこと。彼らの有無を言わさぬ残虐性と得体の知れない存在感こそが「悪魔のいけにえ」の真骨頂であり、果てしなく荒野の広がるアメリカのド田舎ならあり得るかもしれない、文明に取り残された狂人一家がいてもおかしくないという現実味のある恐怖を生み出していたのだが…。ディテールのいい加減さ(例えば設定通りならヒロインはアラフォーのはず※)などからも、本作制作陣の適当ぶりがうかがえる。オリジナルキャストを出演させたくらいでリスペクトとは言わせない。※事件を報道する古い新聞の日付は1973年、祖母の墓石に彫られた没年は2012年。
この短評にはネタバレを含んでいます