ミケランジェロ・プロジェクト (2013):映画短評
ミケランジェロ・プロジェクト (2013)“監督”クルーニーの才腕は、もっと評価されるべき
マッチョらしさのない『戦略大作戦』か、はたまたバイオレントではない『イングロリアス・バスターズ』か。タフでもラフでもない戦争映画だが、それでも味があるのはヒューマニズムとユーモアが脈づいているから。
美術品を守りたい、その一心で行動するアマチュア戦士たちの奔走劇は危なっかしくてスリリング。そこには漫才師のような凸凹コンビもいれば、シリアスな絆が見えるタッグもおり、キャラのバランスの良さは絶妙だ。
笑える場面ではしっかり笑わせ、泣きの描写ではきちんと泣かせる。監督ジョージ・クルーニーの演出は派手さこそないが、ツボを心得ている。こういうことを丁寧にやれる映画監督が今、どれだけいるだろう?
この短評にはネタバレを含んでいます