土竜の唄 潜入捜査官 REIJI (2014):映画短評
土竜の唄 潜入捜査官 REIJI (2014)ライター2人の平均評価: 3.5
長瀬智也の牙城を揺るがす生田斗真の規格外バカっぷり
これは、原作コミックと三池崇史監督のタイマン勝負である。エロと暴力満載の題材をどこまで具現化出来るか? だが、数々の無茶難題をこなしてきた三池監督にとっては、そんなもんバッチ来〜い! それどころかご丁寧にタイトル通りの゛土竜の唄゛まで作ってしまった。ほか、打ち出の小槌のごとく湧き出るくだらない笑いの連打は、原作のイメージと違うと憤るファンの気力さえ奪うだろう。
菊川玲二役の生田斗真の弾けっぷりが良い。ジャニーズ事務所で規格外バカを演じさせたら長瀬智也の右に出る者はいないと思っていたが、ライバル出現。『十三人の刺客』の稲垣吾郎に続いて、三池監督はまた新たな逸材を発掘してしまったようだ。
三池主義的には大いにアリです!
原作ファン的には色々注文が出るだろうが、三池崇史ファンからすると微笑ましい「東宝=フジテレビ」作。なにせ婦人警官がレオタードで活躍するVシネマでの監督デビュー作『突風!ミニパト隊』(91年)を懐かしく思い出すくだらないノリで突っ切っているのだから!
宮藤官九郎の脚本は、前に三池と組んだ『ゼブラーマン』二作よりも、東宝で水田伸生監督と組んでいる一連の作風に近いラインか。古い形容を使うと『あまちゃん』がA面の国民的ヒット曲なら、こちらはB面のノベルティソング。
バスロマンのCM以上にほぼ全裸状態の生田斗真はジャニーズのOKラインを広げてみせた。そして意外にもナイナイ岡村の猫沢はかなりイイ感じ!