パラノーマル・アクティビティ/呪いの印 (2014):映画短評
パラノーマル・アクティビティ/呪いの印 (2014)
ライター3人の平均評価: 3
チープなトリックに苦笑するけど、それが持ち味。
今回、取り憑かれるのは普通の青年ジェシー君で、かなりスピンオフ感強し。
登場キャラの大半がヒスパニック系なので最初「やばいことが起きても警察に通報しない傾向があるから?」と思ったけれど、南米土着のアミニズム的思想とキリスト教を相反せずに信仰している人々だからテーマに合致するのだと腑に落ちる。なにせ山羊爪系悪魔崇拝だもん。連続殺人鬼並みに事件の感覚が短くなっているのが気になる本シリーズだが、今回はユーモラスさも漂う。呪われた青年がスーパーマン級に強くなるのはアニメっぽく、次々と起こる異常現象のチープさも苦笑もの。登場人物がやっちゃダメなことやるのもお約束。でも、それこそがシリーズの魅力だよね。
マンネリ打破、そして恐怖は続く
超常現象日記的なシリーズの最新作は監視カメラでの定点観測を離れ、手持ちカメラ一辺倒に。主人公もヒスパニック系の少年にチェンジ。これがシリーズの新味と言えよう。
前4作とは異なり、今回の舞台は一軒家ではなく安アパート。ストーリートギャングの抗争を含めた混乱の中で不気味な出来事が進行していた……という猥雑さが妙味で、カオスに置かれた少年のプレッシャーが生々しく伝わってくる。
クライマックスではシリーズの関連が見えてくるが、それ以前にも新聞記事や、VHSテープなどのリンクが散りばめられファンを喜ばせるはず。本作を初めて見て、シリーズをさかのぼるという楽しみ方もアリだと思う。
シリーズ5作の収束していく先に、このジャンルの原点が見えてく
[発見された映像]作は多いが、本シリーズの魅力は、日常に突然生じる異物、とくにその"現れ方"にある。その魅力は健在。目についたゴミを引っ張るとそれは糸のように延々と続きーーと、いきなり異物が顔を出す。
第5作なので、シリーズ初のヒスパニック系家庭を舞台にし、同じ[発見された映像]分野のヒット作「クロニクル」の超能力と少年ネタも加えて、新鮮さをプラス。
そして、少しずつ明かされてきたシリーズ全体の起原が、本作で遂に明らかになる。すると、それが[発見された映像]ジャンルの原点「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に連なることに気づく。その時が、本作の本当のエンディングなのではないだろうか。