みつばちの大地 (2012):映画短評
みつばちの大地 (2012)他種蜂襲来アレルギーを移民排斥になぞらえるのも面白い。
「蜂群崩壊症候群」の理由を探るエコロジカルなドキュメンタリ。しかしむやみな告発に傾くのを避け、どの養蜂家たちもミツバチを愛し、真摯に発展に取り組む姿に焦点を当てているのがいい。新自由主義に加担しているかの如きアメリカ人が「祖父が私のやり方を見たら養蜂家精神を失ったと怒るだろう。でも当時と今とでは規模も市場も10倍なんだ」と農薬が蜂に与える害を知りながらも呟く姿にさえ、どこか愛を感じてしまう。これは監督自身が養蜂家の家系に育ったからだろう。しかも蜂の生態の超接写ヴィジュアルはちょっと類を見ないほど。CGと見紛うほどの飛行シーンには恣意的な物語性さえ感じるが、それでも圧倒的なのは事実だ。
この短評にはネタバレを含んでいます