プレーンズ2/ファイアー&レスキュー (2014):映画短評
プレーンズ2/ファイアー&レスキュー (2014)ライター3人の平均評価: 3.3
挫折に打ち勝つ秘訣を子供たちに教えてくれる作品
体の故障で選手生命を断たれたチャンピオンが、才能を生かした別の分野に活路を求め、そこで改めて自らの存在意義を見出す。まるでスポーツ選手の実録ドラマみたいな筋書きを、ファミリー向けのアニメに置き換えた点がポイント高い。
飛行機レースものから災害救助ものへ路線変更した2作目。主人公ダスティは森林警備の消防レスキュー隊で活躍する。誰にでも必ず挫折の瞬間が訪れる、夢を諦めなければならない時が来る。しかし、それは新たな可能性へ繋がるチャンスでもあるのだ、ということを本作は子供たちに教えてくれるだろう。
CGアニメで描かれる大自然の精巧なリアリズムも見事。クライマックスの大火災はなかなかの迫力だ。
すべてを一新した思い切りのよさが痛快!
レース映画だった前作から一転、災害救助映画へ。このジャンル変更が斬新だが、そんなことはこのシリーズのファンである乗り物好きたちには関係ない。必要なのは「カーズ」と同じ飛行機や自動車たちが意識をもって生きている世界と、各乗り物の魅力がきっちり描かれることだけ。その原点回帰が痛快。キャラたちも、前作は実在の飛行機各種というマニア向け設定だったが、今回は貨物用ヘリコプター、水陸両用飛行艇、地上作業車等の働く乗り物たちという分かりやすさ。さらに森林の大火災というスペクタクルシーンの映像も迫力満点。主人公の挫折からの再起ぶりが、このシリーズの再起動ぶりと重なって見える、などという大人の視点も不要だろう。
前作よりも熱く激しい“乗り物ドラマ”
前作は『カーズ』のスピンオフ以外、何ものでもなかったが、なぜかB級アクションに多い消防山岳救助隊物語に方向転換。安易な気持ちだったダスティに新たな試練が訪れ、前作より熱い“乗り物ドラマ”に。最初はどうかと思う大火災も、イヤミな国立公園園長に、思い出の地を訪れた(キャンピングカー)老夫婦など、パニック映画あるあるキャラが参入すれば、否応なしに盛り上がる。
『ハワード・ザ・ダック』(のパロディ)ジャケがダミーの「白バイ野郎ジョン&パンチ」(のパロディ)などの完全に“大きなお友達”向けのギャグも多いなか、こんな設定でAC/DC が流れるのは『地獄のデビルトラック』のオマージュとしか考えられない。