劇場版 零~ゼロ~ (2014):映画短評
劇場版 零~ゼロ~ (2014)少女であることは一種の呪いである
「女の子だけにかかる呪いがある」ーー冒頭、少女のこの独白に頷いてしまったら、その瞬間、もうこの映画の魔術に囚われている。
これは「ピクニックatハンギング・ロック」「乙女の祈り」「モスダイアリー」の、あの系譜に連なる一篇。制服の美少女たち、寄宿舎、怪現象、と、この系譜の道具立てはいつも同じなのがお約束だが、この映画はその様式美を守りつつ、独自の香りを放つ。讃美歌めく校歌の歌詞は森鴎外による翻訳、その題材と同じラファエロ前派の絵画、そこに流れる水がどこかに溜まっている、その水のイメージの連鎖。少女たちが聖堂で賛美歌を歌うとき、突然、奇妙な出来事が起こる。その映像は圧巻。
この短評にはネタバレを含んでいます