サンシャイン/歌声が響く街 (2013):映画短評
サンシャイン/歌声が響く街 (2013)ライター2人の平均評価: 3
いわば「ご当地ミュージカル」。
言葉に収まりきれぬ感情が歌となって立ち現われ、それがやがて踊りという肉体的表現をも伴い爆発する。そういうミュージカル像が理想である僕のような者にはてんで詰まらない出来。最大にマズいのは、楽曲と物語との繋がりの悪さ。それはプロクレイマーズというスコットランドで今も支持されるデュオのヒット曲を当てはめる形で作られた(『マンマ・ミーア!』パターン)せいらしいが、結果、おそろしくローカルな作品になってしまった感じだ。故郷にこだわり、外へ羽ばたこうとする恋人を許せず、そのくせ志願兵としてアフガンへ行く青年…その背景にはリースという土地の社会的事情もありそうだが、それもはっきりと見えてこないしなあ。
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スコットランドが誇る双子デュオ、プロクレイマーズのヒット曲を使ったミュージカルだから、歌を聞くだけでうきうき。フラッシュモブ風なダンスシーンはやや古めかしいけれど、歌曲重視の作品にしたかった製作側の意図? 素朴な振り付けが今は逆に新鮮だ。登場人物が人間関係や恋愛、過去の過ちに直面し、それぞれの人生を考える展開に新味はないが、デクスター・フレッチャー監督の人情&情緒あふれる演出でキャラクターへの共感度が深まる。そしてなによりも素晴らしいのが舞台である街リースの魅力。歴史的な建築物や美しい自然が共存する街並みにうっとりで、映画を見終わった瞬間いつかこの街を訪れたいという気持ちに! 貯金しなくちゃ。