ソニはご機嫌ななめ (2013):映画短評
ソニはご機嫌ななめ (2013)オトコって、ホントにもう…(涙)。
こりゃなんとも厄介なファム・ファタルの話。無自覚な向上心と“自分探し”の強迫観念のため、無自覚に(しかし的確に)選別した男を絡めとり、無自覚に放っぽり出すソニという女のタチの悪さ(笑)。彼女に引っかかるオトコ三人はホン・サンス映画の常ですべてインテリだが、いったんソニの蜘蛛の巣に囚われると、彼女のことを「内向的で何を考えてるか判らないが、頭とセンスがいい女」などと、まったく同じ言葉でしか語れなくなってしまうのが可笑しい。つまり彼女は男たちの自惚れ鏡に過ぎないのだが、その実ソニは中身が空っぽ……という意地の悪さがたまらない。妙な間のあとでリフレインされる韓国ナツメロがまた間抜け。
この短評にはネタバレを含んでいます