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イコライザー (2014):映画短評

イコライザー (2014)

2014年10月25日公開 132分

イコライザー

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

森 直人

キャラ勝ちの一本。デンゼルかっこよすぎ!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

これは「デンゼル・ワシントンの完成形」ではないか? 知的で穏やかな正義漢、実は高性能な殺人のプロ――という設定はハマリ役というよりセルフイメージの昇華だろう。監督のA・フークアは『トレーニング デイ』でデンゼルに悪役&オスカーをもたらした人だが、今度はその裏返しで正調キャラを極めた。

映画の構造は私刑執行系=ヴィジランテ・ムービーの一種だが、クールな美学が強く、ファイトシーンはマーシャル・アーツの戦闘術を頭脳的に応用したもの。定型を巧みに改造しつつ、ストレートに楽しめる機能的な活劇に仕立てた職人技にも痺れる!

まさにありそうでなかった傑作。任侠映画の高倉健並に憧れてしまうヒーローは久々だ!

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

実はスーパーヒーローの変形版だったりして?

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

一瞬にして殺す。証拠を残さないため銃弾は使わず、いきなり音もなく、そこにある物を突き刺す。そして問答無用に強い。

昼はホームセンターで働き後輩の面倒もみるいい人で、夜は殺傷力全開で法律も無視して悪人を殺傷しまくる別人に変身するという設定も、超人的な強さも、スーパーヒーロー仕様。だが、主人公が仮面も被らず変身もせず、舞台も現実だということになっていても納得してしまうのは、ひとえにデンゼル・ワシントンの存在感のせいだろう。

娼婦役のクロエ・グレース・モレッツは、露出の多い衣装で見せる肢体が、まだ大人の女性ではなく少女の形で、このセクシーさは危険。これじゃデンゼルも放っておけない。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

キャラもバトルも、なかなかの吸引力

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 昼は労働者、夜は悪党成敗人。そんな“仕事人”キャラに、“ジェイソン・ボーン”シリーズ的タイトな肉弾戦を結びつけることで、今風のアクションに仕上がった。

 不眠症、読書家、几帳面、真面目等々の主人公の性格づけもデンゼルが演じると説得力が宿る。昼の顔は誰にでも愛されるナイスガイで、夜の顔はシャープなバードボイルド・ヒーロー。そんなキャラの魅力に吸引力が宿る。

 主人公のスキルに対抗できる悪役を設定した点も技ありで、プロ対プロの対決へと昇華するドラマもスリリング。デンゼルはもちろん、手負いの悪党を演じたマートン・ソーカスの不敵感たっぷりの妙演も買いだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
ミルクマン斉藤

勧善懲悪スーパーマンもの。それ以上でも以下でもなし。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

A.フークア史上一番なーんも深いこと考えてない映画。アクション演出も巧い彼のこと、デンゼルの超現実的な殺し(結構エグい)は見せるが、それだけといえばそれだけ。ロシアン・マフィアや虐げられる娼婦たち(話題のクロエは、比較されるだろう『タクシー・ドライバー』のJ.フォスターほどの役ではない) の描き方もクリシェというに近い。マフィアのボスがプーシキン、音楽にやたらチャイコフスキーが引用されるなんてステロタイプに過ぎないか? なんでも原作は’80年代のTVシリーズだというが…。最後にR.エリスン「見えない人間」の表紙を出して、黒人監督&主演の意味を打ち出そうとしたようだが意味を成してないよ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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