ジェラシー (2013):映画短評
ジェラシー (2013)嫉妬という不可解な感情に焦点を定めた作品
嫉妬というのは実に厄介な代物だ。それが醜い感情だと分かっていても、ひとたび頭をもたげるとなかなか抑えきれない。しかも、単なる独占欲なのに、しばしば愛情と混同されがち。愛しているから嫉妬するなんて、結局は都合のいい錯覚でしかないのに。
舞台俳優の男と、その妻と愛人の三角関係がストーリーの主軸。嫉妬によってもつれ破綻していく男女の関係を2部構成で綴っていく。フィリップ・ガレル監督の実父モーリスが主人公のモデルということで、細かい心理描写などが妙にリアルで生々しい。
とはいえ、基本的には彼らの日常を淡々と映し出していくだけなので、ドラマチックな展開はほぼ皆無。77分という短尺は丁度いい塩梅だ。
この短評にはネタバレを含んでいます