ストックホルムでワルツを (2013):映画短評
ストックホルムでワルツを (2013)夢を叶えるためなら鬼にだってならねば
スウェーデン・ジャズ界の歌姫モニカ・ゼタールンド。日本でも少なからぬファンを持つ彼女のサクセス・ストーリーを描いた本作は、伝記映画にありがちな美談とはほぼ無縁だ。
なにしろ、ここで描かれるモニカは決して一般的に好感を持たれるタイプではない。野心も向上心も人一倍。パーティでは逆ナンに精を出す肉食系で、しかもターゲットは成功者に限る。寂しい時には優しい格下の男とも寝るけれど、相手がその気になったらシャットアウト。あんたなんか私に釣り合うわけないでしょ!ってな具合に。
だが、男は利用しても頼らない。歌手として成功する、その目的のためなら時として鬼にだってなる。夢を叶えるには代償も必要なのだ。
この短評にはネタバレを含んでいます