インサイド・ヘッド (2015):映画短評
インサイド・ヘッド (2015)少女の揺れ動く心理世界を冒険ファンタジーに昇華させた傑作
まずは、人間の喜びや悲しみなど5つの感情をキャラクター化させるというアイディアが驚くほど秀逸。そればかりか、脳内の司令塔を軸としながら、想像力や深層心理など人間の多重構造的な内面世界をテーマパーク風に具現化させることで、繊細かつ複雑な心の機微が鮮やかに描かれていく。これはもう、巧い!としか言いようがない。
大人への階段をのぼり始めた少女ライリーの多感に揺れ動く心、その予期せぬ変化に振り回される感情たち。普遍的な思春期の成長物語を題材にしながら、それを躍動感あふれるダイナミックなファンタジー・アドベンチャーへと昇華させた制作陣の手腕は賞賛に値する。大人の鑑賞にも十分に耐えうる傑作だ。
この短評にはネタバレを含んでいます