劇場版 神戸在住 (2014):映画短評
劇場版 神戸在住 (2014)地元テレビ局発・等身大の震災映画
日本は自然災害大国。その数だけ映画も生まれた。ただし作品として評価すると、説明台詞の過多に過剰演出が鼻に付くのも多い。本作のような等身大フィクションは名作『その街のこども』以来かも。さすがサンテレビジョン製作。
東京から越してきた女子大生の目線で、震災から20年の神戸を見つめる。生まれる前の事で「ぶっちゃけイメージ湧かん」と語る友人。一方で、さり気なく明かされる身内の不幸。小気味いい関西弁の台詞に本音を散りばめた脚本と、それを自分たちの言葉として発する女子大生役の女優陣の好演が光る。
映し出すのは、目に見えない心の傷と受け継がれてきた精神。観賞後はきっと、神戸の街が違って見えるだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます