ブライド・ウエポン (2014):映画短評
ブライド・ウエポン (2014)こりゃいろいろとすげーや。
ソダーバーグ映画では無駄遣い気味だったG.カラーノ驚異の身体性が問答無用に炸裂! いくら愛する夫が行方不明になったからって、いくら父親から「敵を皆殺しにすればぐっすり眠れる」と必殺技を教えこまれて育ったからって、事件に関与したヤツは罪の大小を問わず皆殺し(しかもかなり凄絶に)。この徹底した非情さがなにより不気味。監視キャメラ映像を取り入れたりと映像手法的にも凝っているが、とりわけ村での最終決戦シーンでいきなりドキュメンタリ・タッチになるのが鮮烈。ガチンコの殺し合いの最中、平然と散髪を続ける村人! イイとこ持ってくD.トレホの解決法含め、カリブ貧困国の“明るい闇”を炙り出す格好になっているのだ。
ジーナ・カラーノ版の『96時間』!
新婚旅行先で最愛の夫が消えたら、妻はどうすべきか? 警察に連絡するのが普通だし、ヒロインのエヴァも同様。でも容疑者扱いされ、警察が頼りにならないとわかったら? ジーナ・カラーノがエヴァなのだから、期待通りに事が運ぶ。嘘付いた人々を捜し出し、痛めつけて情報収集し、確信に迫る。『96時間』のリアーム・ニーソンを彷彿させるエヴァの暴れっぷりに惚れ惚れ。愛する人を救うためなら捨て身になるべしとの教訓がここにある! 真相が徐々に明らかになる後半、ジョン・ストックウェル監督だったことを思い出した。ネタの使い回し? でも、これはジーナのアクションをエンジョイする作品だから、固い事は言いっこなしだよね。