マッハ!無限大 (2013):映画短評
マッハ!無限大 (2013)ライター2人の平均評価: 2.5
理屈は置いといて、アクションてんこ盛りを楽しむ!
タイ製アクションに付けられた多くの紛らわしい邦題のおかげでややこしくなったが、本作は“象を返せ!”と絶叫するトニー・ジャー主演作『マッハ!』の正統なシリーズ第3弾。
悪いヤツ、より悪いヤツ、激しく悪いヤツが相次いで登場する複雑な物語は、いたずらにテンポを緩めている気がしないでもない。それでも主人公の“象を返せ!”という行動の動機にブレなし。
何よりアクションの特盛攻勢が魅力で、お腹いっぱい。トニーVSジージャーの武術アクター対決はもちろん、ビルの屋上から屋上へと飛び回り、そこで起こる連鎖反応を踏まえた映像に唸った。見せ場をスローモーションでリプレイするタイ式アクション描写も健在!
やはり一度タイを離れた方がいいのかも
なぜにこの邦題なのか首を傾げるところだが、トニー・ジャー久々の新作は実のところ「トム・ヤム・クン!」の正統な続編。兄弟同然の象コーンをまたもや誘拐された青年カームが、殺人事件の容疑者として指名手配されながらも、コーンを救うため犯罪組織の陰謀に立ち向かう。
これまでCGなし、ワイヤーなし、早回しなしのガチな格闘技アクションでファンを熱狂させてきたジャーが、今回はその全てを解禁。それ自体に文句を言う筋合いはないが、一目で分かるような低クオリティのCGを濫用し過ぎた結果、格闘シーンの臨場感も迫力も損なわれてしまったように感じる。ひとまず今後のハリウッドや香港での活動に期待したい。