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エレファント・ソング (2014):映画短評

エレファント・ソング (2014)

2015年6月6日公開 100分

エレファント・ソング
(C) Sebastien Raymond
森 直人

グザヴィエ・ドランの「作家研究」には必須の一本

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

ゴダールなら『そして愛に至る』、W・アレンなら『ワイルド・マン・ブルース』など。作家性の強い監督が出演(被写体)のみに徹した時、他者の視点により当人のキャラが対象化され、むしろ本質がストレートに浮き出る事がある。

本作はドランにとってのまさにそれ。愛の飢えを抱えながら、鋭利な知性と感性を備え、大人たちを翻弄する小悪魔男子。彼自身が「これは僕だ」と言ってるだけあり、核にある精神性、そして本人のカリスマ性が全開で味わえる。

母親への愛憎など『マイ・マザー』から『Mommy/マミー』まで見られる主題もたくさん。オーソドックスな戯曲ベースの劇なので、ドラン作品の判りやすい副読本とも言えるかも。

この短評にはネタバレを含んでいます
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