ムーン・ウォーカーズ (2015):映画短評
ムーン・ウォーカーズ (2015)ライター2人の平均評価: 2.5
アイデアは素晴らしいんだけど、何かが間違った感じ。
アポロの月面着陸にまつわる都市伝説にからむ男たちの友情をコミカルに描くアイデアは、素晴らしい。プレミスを聞いただけで見たくなった。ルパート・グリントが情けない主人公を抜群のタイミングで熱演しているし、ロン・パールマンの怪優ぶりもキャラにぴったり。でもでも、キューブリックの代わりに月面着陸を撮影する監督がロン・ジェレミー?ってくらいにキワもので、発想もアンディ・ウォホールのダメなコピーっぽく、笑いを通り越してトホホ。マッチ棒でビッグベンかなにかを作っているギャングとか随所で笑えるんだけど、それだけ。タランティーノの影響と思われる過激な暴力シーンも浮きまくってて、何かが間違った感じ。残念。
スウィンギング・ロンドンでサイケでおバカな大騒ぎ
キーワードは、1969年のロンドン。サイケデリックでケムリモクモクでアシッドなスウィンギング・ロンドンの真ん中で、自称音楽業界人や自称ミュージシャンや自称アーティストが、それぞれの都合のいい思い込みで勝手に動き回るドタバタ・コメディ。アポロ11号の月面着陸フェイク説を描く映画は他にもあるが、そこにスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」とスウィンギング・ロンドンを掛け合わせたところが、本作のポイント。それにしても「ハリー・ポッター」のルパート・グリントは60年代ファッションがお似合い。そういえばこの人、「ハリポタ」でもフリルのついた時代遅れの夜会服が妙に似合ってたっけ。