ちえりとチェリー (2015):映画短評
ちえりとチェリー (2015)切なくも心温まる和製パペット・アニメ
父親を亡くした悲しみを抱える少女ちえりが、空想の友達チェリーとの田舎での小さな大冒険を通して、大人への階段をのぼり始める。新生「チェブラーシカ」シリーズの中村誠監督による初のオリジナル・パペットアニメーション。
カチャーノフの名作「ミトン」に影響されたという切なくも心温まる物語。空想と現実の間にあえて境界線を作らず、感受性豊かな少女の目に映るキラキラとした世界をありのままに捉える。その瑞々しさが魅力だ。
日本人の心の中にある田舎の原風景そのものの甘酸っぱいノスタルジーにもキュンとさせられる。今や絶滅寸前である和製パペット・アニメだが、これが復活の起爆剤になってくれればと願いたい。
この短評にはネタバレを含んでいます