とうもろこしの島 (2014):映画短評
とうもろこしの島 (2014)川が静かに容赦なく流れ続ける
ずっと川が流れている。川の水が急増すると、押し流された土砂によって、川の中にごく小さな島が出現する。人間がその島でとうもろこしを育てる。その島は豪雨が来れば押し流さるが、また次の夏に出現する。
画面の中を、時間が流れる。豪雨が降る。川が流れる。その力は容赦なく大きい。その中で人間の行為はあまりに小さいが、だからといって無くなるわけではなく、誰かがいなくなってもまた別の誰かによって続けられていく。それが静かに映し出されていく。
この川では、人間の話す言葉はごくわずかだが、流れる水の絶えず変化し続ける音や、さまざまな鳥の鳴き声、風や雨の音が、常に世界を豊かな音で満たしている。
この短評にはネタバレを含んでいます