ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄 (2016):映画短評
ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄 (2016)ライター2人の平均評価: 3
ハロウィンの夜に子供をさらう悪霊とニコラス・ケイジが対決!
ハロウィンの夜に忽然と姿を消した幼い息子の行方を追って、ニコラス・ケイジ扮する大学教授が数百年前の怨霊と対峙することになる。ウーリー・エデル監督久々の日本公開作だ。
ホラー・サスペンスとしては及第点。ストーリーはありきたりだし、エデル監督の演出にもかつて鬼才と呼ばれた頃の精彩が欠けている。ただ、現代社会に蔓延する悪意や邪念から、親は子供たちをいかにして守ればいいのか?というテーマに対して真摯に向き合っており、主人公夫婦の苦悩と葛藤のドラマにも胸を打つものがある。
そういえば、アメリカではハロウィンの賑わいを狙った強盗や誘拐も少なくない。日本でも今後は用心や警戒が必要になるだろうな。
そういえばゴーストには何か借りがあったような
ペイ・ザ・ゴースト(ゴーストに償いをしろ)というタイトルがイメージを刺激する。そういえば彼らには何か借りがあっただろうか、と思わず自問してしまう。さまざまな怪異が起こるが、それが起こるだけで、それに対する反応が描かれることなく次の場面に転換される。それが何度も繰り返されるので、気持ちが宙吊りにされたまま落ち着かず、漠然とした不安感が少しずつ強まっていく。
ニューヨークの古い建築物、その上の曇天を舞う巨大な鳥、ビルの壁に映る影、路地裏にひしめくハロウィンの仮装をした人々、それらが晩秋の落ち着いた色調と湿った質感で描かれて、独自の雰囲気を醸し出している。