小さな園の大きな奇跡 (2015):映画短評
小さな園の大きな奇跡 (2015)貧しい子供たちから学びの場を奪う格差社会の現実
資金不足で閉鎖の危機に追い込まれた田舎の幼稚園を救うため、たった一人で立ち上がった女性の実話を描いた香港映画。日本人にも他人事ではない教育格差の問題を浮き彫りにした作品だ。
子供に豊かな未来を望むのは親ならば当然のこと。しかし、無理してでも我が子を名門校へと躍起になる保護者たちが大勢いる一方、そんな余裕すらない貧困家庭の子供たちは学びの場すらも奪われかねないのである。
都会出身のエリートであるヒロインが目の当たりにする、明日への希望なき地方社会の現実。幼いながら周囲の大人の窮状を気遣う子供達に目頭が熱くなる。それだけに、全体としてテレビの2時間ドラマ的な演出が目立つ点がなんとも惜しい。
この短評にはネタバレを含んでいます