オアシス:スーパーソニック (2016):映画短評
オアシス:スーパーソニック (2016)ファンムービー以上の傑作ーーある兄弟とロックバンドの神話
「聖書の中の話みたいだ」(リアム)。序盤でカインとアベルのたとえ話(ジョーク付き)が出てくるように、ギャラガー兄弟と彼らを取り巻くファミリー(家族・仲間)が主軸の構成だ。苦労した母ペギー、粗暴な父の記憶。ブラー戦争などブリット・ポップ現象の枝葉は切り落とされ、90年代のわずか数年に起きた軌跡=奇跡を純化して描く。
デビュー前の貴重映像もがんがん流れる。インスパイラル・カーペッツのローディをやってた頃のノエル(90年)も。以降、閃光のように駆け抜けたやんちゃな初期オアシスは今振り返れば“パンク”そのものだ。頂点のネブワースLIVEが既に20年前。ノエルの「最後に残るのは曲だけ」との弁が染みる。
この短評にはネタバレを含んでいます