MERU/メルー (2015):映画短評
MERU/メルー (2015)数多の登山映画とは一線を画す映像美と人間ドラマ
難攻不落と呼ばれるヒマラヤ山脈はメルー中央峰のシャークスフィン。その頂上を目指す3人の一流登山家たちの飽くなき挑戦を、メンバーの一人であるジミー・チンが約3年間に渡って記録したドキュメンタリーだ。
当事者のクライマーによって作られたという点が、数多の登山ドキュメンタリーとの最大の違いだろう。まるでCGかと見紛うばかりに美しく壮大な山岳映像の迫力もさることながら、登頂成功に至るまでの波乱に満ちた紆余曲折が盛り込まれることで、感動的な人間ドラマとして成立している。
実際に死の恐怖を幾度となく経験しながら、それでも登らずにはいられない男たちの心情が垣間見える点も、当事者目線の作品だからこそだ。
この短評にはネタバレを含んでいます