でんげい (2015):映画短評
でんげい (2015)思い出しても泣けてくる……青春ドキュメンタリーの傑作誕生
在日コリアンが伝統芸能で”文化系の甲子園”こと全国高等学校総合文化祭に挑む。
それは自分たちのアイデンティティーを見つめる作業であり、日本社会で自分たちの存在意義を示す反骨精神もあるのかもしれない。
だが 披露する「地神パルキ」は、文化系のイメージを遥かに超えるアクロバティックなパフォーマンス。
そこに鬼コーチのゲキも飛ぶ。
生徒たちは汗と涙でグチャグチャになりながら食らいついていくのがやっとだ。
その真摯で懸命な姿は、いつしか観客にも国籍とか人種とか雑念を忘れさせるだろう。
これぞドキュメンタリーの醍醐味。
言葉にすると陳腐だが、改めて、
優れた芸術は国境を超えることを教えてくれるだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます