未来よ こんにちは (2016):映画短評
未来よ こんにちは (2016)監督からイザベル・ユペールへの“LOVE”が完璧!
ラヴ監督の前作『EDEN』はクラブDJだった兄が主人公のモデルで、今回は哲学教師の両親がベース。身の回りから世界を立ち上げてくる彼女の映画を貫くのは、何があっても淡々と日々を生きていく――最も慎ましいレヴェルでの「サヴァイヴ」という感覚だ。それは眼差しから来る“肯定力”によるもの。特に回想シーンを使わず、前へ、前へと進むナタリーの生のリズムは触れているだけで元気が出る。
それを演じる目下絶好調、I・ユペール先生。いきなり満員電車の中でエンツェンスベルガーを読んでいる姿が普通にハマるのも凄い(笑)。彼女がイケメン君と車でウディ・ガスリーを聴くシーンは、人生のちょっとイイ時間として心に焼きつく。
この短評にはネタバレを含んでいます