僕とカミンスキーの旅 (2015):映画短評
僕とカミンスキーの旅 (2015)美術界のいかがわしさを描くブラック・コメディとしても楽しい
"盲目の画家"をモチーフに、現代美術界のいかがわしさを描くブラック・コメディとして見てもおもしろい。冒頭の"かつてマティスの弟子でピカソを夢中にした盲目の画家"という人物像を紹介するフェイク・ドキュメンタリー的な映像が楽しい。また、物語の区切りごとに、画面がいろんな画家のタッチ風に変化。エンドクレジットには有名絵画を使ったオマケもあり、絵画を使った仕掛けの数々がみな楽しい。
基本的には、崖っぷちの自分勝手な若手評論家と、ヘソ曲がりのしたたかな老人画家、どちらもはた迷惑な2人が旅するロードムービー。イヤな奴2人が次第に別の顔を見せていく、ちょっといい話にもなっている。
この短評にはネタバレを含んでいます