エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方 (2015):映画短評
エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方 (2015)ライター3人の平均評価: 4
本音で生きるってやっぱ無理なのかな。
超割り切り性生活を信条とする主人公がまず型破りだが、男性に置き換えれば珍しいものじゃない。自分に正直に生きることが男性社会の中では許容されないことの理不尽さ、さらには「異性経験の多さがオトコの価値」みたいなマッチョイズムの馬鹿らしさを、脚本も手掛けたエイミー・シューマー(つまり主人公は本人の別人格)と製作のJ.アパトーは爆笑のうちに問いかける。生涯三人しか女を知らない男(B.ヘイダー)と、女は三人しか知らないが男は千人斬り状態のエイミーとの恋の行方は…。ハリポタこじらせたあの男優と、オスカー助演賞こじらせたあの女優が共演する劇中劇はじめ、いろいろこじらせたあの俳優このスポーツマンの好演続出。
おじさん化する女子に夢を見せてくれるラブコメ
「恋愛は面倒くさいし、一夜だけの関係で性欲すっきり」女性と親友に恋愛相談しちゃう繊細な男性が恋に落ちるという男女逆転の設定が皮肉で、実にエイミー・シューマーらしい。できれば男性に知られたくないトイレの女子会話(トランプ大統領のロッカールーム会話にも通じる!?)や恥しい生態などもさらけ出され、女子あるある本音エピソードに赤面するやら共感するやら。ウィットに富んだ台詞やラブコメ史上最高にバカげてるけどロマンティックなオチに爆笑。
ティルダ・スウィントンやレブロン・ジェームズといった豪華脇役からはハリウッドにおけるエイミーの立ち位置がわかるし、日本でも人気が出るといいなと思う次第なのでした。
爆笑させてくれるけどホントはいい話
人気コメディアン2人、エイミー・シューマーとビル・ヘイダーがカップルになる恋愛コメディとくれば爆笑モノに決まってるが、それだけじゃなく、実はいい話。なのだがシューマーが下ネタ系ジョークで笑わせるから、見ていて照れないですむ。ヒロインには、彼女が子供の頃に離婚した問題のある父親や、「ルーム」のブリー・ラーソン演じる可愛くて出来のいい妹がいて色々こじらせてるが、それでも勇気ある前進を続けようとする。なるほどジャド・アパトー監督は、こじらせ女子大集合の「GIRLS/ガールズ」の製作総指揮&脚本にも参加していた。主人公の鬼上司役のティルダ・スウィントン、同僚役のエズラ・ミラーの爆笑演技も見もの。