泥棒役者 (2017):映画短評
泥棒役者 (2017)往年のハリウッド映画を彷彿とさせる秀逸なナンセンスコメディ
昔の悪い仲間に脅されて空き巣に入った気弱な青年が、なぜか住人や訪問者から次々と別人に間違われてしまい、この予期せぬ窮地を脱するため様々なキャラを演じ分けなくてはならなくなる。同名舞台劇の映画化らしいが、とにかく脚本がべらぼうに面白い。
その出来栄えは、さながらエルンスト・ルビッチかビリー・ワイルダーか。往年のハリウッド映画を彷彿とさせる洒脱なユーモアとナンセンスな展開が絶妙だ。少々ご都合主義にも思えるハートウォーミングなラストも、なかなか上手いことまとまっている。世知辛い今の世の中にあって、それでもちょっぴり人間の善意を信じたくなる、そんな気持ちのいい映画だ。
この短評にはネタバレを含んでいます