ソフィア・コッポラの椿姫 (2016):映画短評
ソフィア・コッポラの椿姫 (2016)衣装と舞台美術の力で、スタイリッシュに変貌
月夜に照らされた大階段からヴィオレッタがゆっくりと降りてきて、蝋燭に火を灯した瞬間に物語が始まる--。
幻想的な冒頭からグッと引きこまれる。
そして明らかになったステージは、ガーリーなS・コッポラのイメージとも、従来のオペラとも違う。
ヴァレンティノの衣装も、『ダークナイト』のネイサン・クロウリーの舞台美術も、スタイリッシュ。
第2幕の仮面舞踏会のシーンなんて、黒を基調に流行のシースルーを取り入れたドレスだ。
落ち着いた空間だからこそ一層引き立つキャストの歌声。
中でもフランチェスカ・ドットとロベルト・フロンターリの二重唱は鳥肌モノだ。
伝統にあぐらをかかないこの挑戦。
いずれ伝説となるか。
この短評にはネタバレを含んでいます