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リアル・ペイン~心の旅~ (2024):映画短評

リアル・ペイン~心の旅~ (2024)

2025年公開

リアル・ペイン~心の旅~
(C) 2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
斉藤 博昭

痛いほど共感させる術を軽やかに成し遂げる、やはり彼は天才

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

NY→アウシュヴィッツの旅はあくまで「設定」。現地の光景がポイントとなるものの、最も心に沁みるのは主人公2人の性格描写に尽きる。すべて正反対の従兄弟。何かと極端に行動する“お騒がせ者”ベンジーに対し、冷静に彼をたしなめつつ、その自由さを羨むデイヴの心情が、いくつかのシーンであまりに痛く伝わる。監督・脚本のJ・アイゼンバーグが自身を重ねたとはいえ、多くの人が他者に感じるコンプレックス、根底でのたがいへの愛情、そして一定の距離感…と様々な心情をショパンの曲とともにドラマに乗せた“超映画的”才能に感動。
無敵の遠慮なさの裏に、哀しみを潜ませるベンジー役のK・カルキンは助演男優賞レースの最有力だろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
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