-悟空伝- (2017):映画短評
-悟空伝- (2017)破天荒な孫悟空と自由を求める若者の姿がだぶりました
天界から世界を司る女神に滅ぼされた魔物が孫悟空に転生し、復しゅうを誓うというのがつかみ。テンポよく物語は進行し、恋や友情、成長、搾取される庶民の恨みといった様々なエッセンスもバランスよく盛り込まれていて最後まで飽きさせない。エディ・ポンやショーン・ユーといった人気俳優のキレのいいアクションや特撮が見どころのよくある華流アクション・コメディなのだけど……。すべてを決定する天界=中国政府、自由を求める悟空=民主化を求める中国の若者という図式が浮かび上がる。デレク・クォック監督は今の中国ではなかなか声に出せない若者の願いをすくい取って、本作のメッセージとしたのだろう。その思い、しかと受け止めました。
この短評にはネタバレを含んでいます