ワンライン/5人の詐欺師たち (2017):映画短評
ワンライン/5人の詐欺師たち (2017)資本主義の格差と狂騒に斬り込む痛快な詐欺エンターテインメント
融資を受けたくても受けられない弱者に代わって銀行から金を騙し取る人助け詐欺集団と、金融業界と裏で結託して貧しい庶民から金を騙し取る悪徳詐欺集団による、丁々発止の騙し合いバトルを描く韓国版『オーシャンズ11』。
寸分の隙も無い脚本が見事。危機一髪の連続で二転三転する軽妙洒脱なストーリー展開もさることながら、凄まじい格差社会で搾取され続ける韓国庶民の悲哀もしっかりと滲ませ、その上で金に振り回される現代人や資本主義の在り方にも疑問を投げかける。
また、詐欺師を決して美化したりせず、正直者ゆえ左遷された負け犬刑事にヒーローの花を持たせる辺りも心憎い。韓国映画ならではの骨太エンターテインメントだ。
この短評にはネタバレを含んでいます