ゼニガタ (2018):映画短評
ゼニガタ (2018)荒々しさの中にも豊かな人情味を漂わせた闇金ムービー
表向きは居酒屋の看板を掲げた地方都市の闇金業者を主人公に、金を巡って入り乱れる欲望の群像ドラマを通して、疲弊し衰退する日本の田舎の底辺を炙り出していく。セックスとバイオレンス満載のハードな描写を含め、『ナニワ金融道』や『闇金ウシジマくん』の系譜に連なる作品と言えるだろう。
とはいえ、その視点はあくまでも閉鎖的な地域社会で行き場を失った弱者側に寄り添っており、立ち振る舞いから優しさの滲み出る主演俳優・大谷良平の個性とも相まって、荒々しさの中にも豊かな人情味を漂わせた作品に仕上がっている。ウシジマくんの後味の悪さが苦手…という人にもおススメ。
この短評にはネタバレを含んでいます