聖なるもの (2017):映画短評
聖なるもの (2017)日本映画の新たな時代は、ここから始まる!
日本映画監督協会新人賞を受賞した前作『花に嵐』同様、先が見えないフェイクドキュメンタリーの手法を取りながら、その仕上がりは三段跳びレベル! ますます悪化する岩切一空監督の「「ウテナ」も「エヴァ」も、カワイイ女子も好きで何が悪い!」な欲望と、ボンジュール鈴木のエレポップという飛び道具が、絶妙な化学反応を起こす。さらに、恥ずかしげもなくブチ込むネタのリミックスに、アニメやMV、You Tuberの編集技術も取り入れる現在進行形の映像感覚も刺激的だ。その“映画の向こう側”に突き抜ける感や常習性は『ゼロ・グラビティ』にも近く、日本映画は今後“岩切以前・岩切以降”で語られてもおかしくないだろう!
この短評にはネタバレを含んでいます