SPL 狼たちの処刑台 (2017):映画短評
SPL 狼たちの処刑台 (2017)ライター2人の平均評価: 4
サモ・ハン・キンポーは、ブルース・リーと並ぶレジェンドだ!
タイの臓器売買ビジネスの闇に戦いを挑む刑事たちの物語だが、息を飲むアクションの連続。T・ジャーの超人的ジャンプ力やウー・ユエの刀技といった各人の特技を生かしたアクション振り付けはスピーディーだし、見ている側も気を抜けない緊張感が漂う。主役ルイス・クーがアクション得意とは思わないが、食肉工場に殴り込む場面では躍動感のある動きを披露。すべてはアクション監督のサモ・ハン・キンポーの実力で、歳を重ねても衰え知らずどころか、ずっと進化し続けていると感動。ブルース・リーからドニー・イエンまでカンフースターほぼ全員と共演し、華麗なアクションを披露してきた彼こそビッグ・レジェンドと納得だ。
いろんな意味で容赦ない“香港版『96時間』”
一言で言えば、カンフーアクション満載の“香港版『96時間』”だが、ドラマティックに敵味方、登場人物の想いが交錯する『SPL』シリーズ第3弾。タイを舞台に臓器密売組織を追う展開だけに、前作『ドラゴン×マッハ!』を別角度から描いた作品としても楽しめる。シリーズ定番のバイオレンス描写に加え、ヘヴィな展開を引っ張るのは、香港アカデミー賞も受賞したルイス・クーの鬼気迫る演技。前作の獄長に比べ、雑魚キャラ感の強い首領など、モノ足りなさもあるが、余韻を残すラストまで釘付けだ。また、20年ぶりに監督・主演・ヒロインが顔を揃えた『OVER SUMMER』の続編として観ると、より胸に刺さるはず!