ポリス・ストーリー/REBORN (2017):映画短評
ポリス・ストーリー/REBORN (2017)ライター2人の平均評価: 3
ジャッキー、流行りのSFサスペンスに挑戦!
完全な中国映画となり、ジャッキーの設定が刑事であれば、何でもアリ状態となった感もあるが、宿敵は『ヘル・レイザー』の魔道士のような風貌の人造人間! 今の中国映画界の流行りでもあるSFサスペンスの流れに完全に乗っかるなか、『~/レジェンド』同様、愛娘を守る父親ジャッキーの愛情が爆発する。冒頭13分、1700カットに及ぶ、かなり壮絶なガンアクションでつかみながらも、その後の失速感は否めないが、そんななかチャウ・シンチー(『人魚姫』)に続き、女装からアクションまで、ジャッキー映画でも笑いを誘うショウ・ルオが大健闘。また、胡散臭い欧米人キャストの登場など、どこか懐かしい。
ごった煮エンタメを飲み込める者に幸がある
“ポリス・ストーリー”を冠しながら、ヴィランが人造人間ってアリなの!? そんな疑問が沸くのもわからないではないが、ジャッキーの近年のフィルモグラフィーを振り返れば、それもアリ、だ。
シリーズのここ何作かと同様に、前作とのつながりがない独立したストーリー。それでもシドニー・オペラハウスの屋上でのバトルをはじめとするスタントは健在だし、近年ジャッキーがこだわっている家族ドラマのエッセンスも脈づく。もちろん、バディムービー的な笑いもある。
『カンフー・ヨガ』でインド映画に接近したジャッキーだが、こういう寄せ鍋的な娯楽の感性が今の彼を突き動かしているのかもしれない。SFも、もちろんアリだ。