劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ (2019):映画短評
劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ (2019)ライター3人の平均評価: 3.3
すべてはOL民のため!
“ヒロイン”黒澤部長の記憶喪失により、呼び方が“はるぽん”になっても、歴史は繰り返す――そんな天丼の面白さがOL民を直撃する『劇場版』。春田と同じバスケ部出身の後輩(ジャスティス!)に、本社異動の牧とアヤしい関係のセクスィー部長ならぬセクスィーリーダーが参戦する五角関係を軸に、マロと蝶子さんの恋の行方もしっかり描かれ、間違いなく大飢饉を救う仕上がりに。『ターミネーター2』のパロディなクライマックスなど、映画的見せ場も用意されながら、作り手の想いがいちばん伝わるのが、5人が一堂に介すサウナシーンなのも愛らしい。個人的にはちずの扱いが残念だったが、そこは続編に期待したいんだお。
ファン感謝祭ボーナストラック
ドラマの完結編を映画(劇場版)でとなると、ネガティブな意見を言う人もいると思いますが、その肝はファンを確実に喜ばせることができるかどうかだと思います。
そういう意味ではこの劇場版は文句なしのできです。ボーナストラックとして充分に機能しています。
田中圭、吉田鋼太郎、林遣都などのレギュラー陣に加えて沢村一樹、志尊淳が加わった俳優陣は安心の芸達者ぶりを発揮してくれます。皆、大真面目なところを見るとこみ上げてくる笑いをこらえきれません。
期待していたものに、すんなり再会できる
ドラマの正統派の続きとして、あの懐かしいムードに再会できるうれしさ。設定を変えても、ほぼほぼ同じ演技+演出+編集がリピートされてたりして、妙にホッコリする。この感覚が極端に面白さにつながるのが、主要キャスト5人のサウナのシーンというも、これまた「らしい」。
スケールアップされた部分はやや微妙な空気も流れるが、まぁそれも映画ならではの許容範囲。わんだほうの“プチ”スケールアップが等身大で微笑ましい。
「誰かを好きになった気持ちを素直に受け止め」「それをまわりがすんなり認める」という作品の根幹がグイグイ来るのもドラマと同じで、不意打ちの瞬発的感動に心をつかまれてしまう。