神と共に 第二章:因と縁 (2018):映画短評
神と共に 第二章:因と縁 (2018)ライター3人の平均評価: 3
キャラ頼りが目立ち、パワーダウンは否めない
地獄ロードムービーとしても楽しめた『第一章』から一転、1000年で47人の亡者を転生させてきた3人の使者の過去に迫るドラマティックな『第ニ章』。過去と現在を行ったり来たりしながら、韓流時代劇好きにおなじみの展開もアリだが、これがなかなかクドい。また、『第一章』ほどの泣かせ演出もなく、どちらかといえばアクションも控えめ。そして、マ・ドンソク演じる“最強の屋敷神”という濃いキャラが登場するものの、出オチ感が強く、結局のところ、評価の基準は3人の使者のキャラ萌え度次第といったところ。おまけに、オ・ダルスが判官役を降板させられ、いろんな意味でパワーダウンは否めない仕上がりに。
過去のしがらみも絡む冥界ワールド
<蘇り>というゴールを目指す冥界のゲーム的な仕組みを描いた第一章が進化し、死者の弁護役である使者の過去と現世での活躍という3次元での物語が交錯する構成。前作のヒットによる予算増加がはっきりとわかる豪華セットで、CGIにも力が入っている。愛する人を守る、弱者に救いの手を差し伸べたいという人間の情が不幸にも生んでしまった非人間的な行為、それによる因果応報は日本人の心にもズシンと響く。元使者が守る幼子に読み聞かせる昔話という形で場面を切り替えるので展開に無理がない。さらには悲しい因果応報から生まれる温かな絆が描かれるので、またまた涙。韓流らしさを素直に受け入れる体質になってきた。
不器用だけど気は優しくて力持ちな神様マ・ドンソクが微笑ましい
既に第3弾・第4弾の制作も進行している韓国産・冥界アドベンチャー・シリーズの続編。今回は7つの地獄で亡者の無罪を立証していく冥界の使者3人が焦点となり、1000年前に遡る彼らの前世における数奇な運命が明かされていく。要は、韓流時代劇と悲恋ロマンスが加わった形で、より一層のことバラエティ豊かな内容になっている。ただ、ストーリー全般的に見ると、前作ほどの強い牽引力はない。なんというか、無難にまとまってしまったという印象が否めないのだ。とはいえ、本作から本格参戦したマ・ドンソクの、期待通りの「不器用だけど気は優しくて力持ち」的な神様がなんとも微笑ましく、肩の凝らないエンタメ作品に仕上がっている。