るろうに剣心 最終章 The Final (2020):映画短評
るろうに剣心 最終章 The Final (2020)ライター4人の平均評価: 4.5
アクションもスペクタクルも最終章に相応しいスケール!
時系列の最後に当たるファイナルを先に、原点を描くビギニングを後から公開するという変則的な最終章2部作。そのファイナルでは、かつて剣心に愛する者を奪われた人物が、反対に剣心の愛する者たちを奪うべく、最凶の刺客どもを引き連れて東京の街を一斉に襲撃する。過去3作に比べてストーリー展開はかなりシンプルだが、しかし一方でスペクタクルなパニックとアクションの見せ場はこれまで以上に盛りだくさん。スピード感と勢いで突っ走っていく。また、サプライズ・ゲストを含めて過去作からのキャラも続々と参戦し、クライマックスへ向けてオールスター感を盛り上げていく演出にもワクワクさせられる。
『るろ剣』を超えるアクションは、『るろ剣』しかない!
サニー千葉の遺伝子を受け継ぎながら、これまでアクションをほぼ封印していたともいえる新田真剣佑が、アクション監督・谷垣健治の手によって、尋常じゃないほど動く、動く! 剣心との殺陣は、もはや異次元チャンバラと化すほどだが、前半の見せ場となる列車内の惨劇は『ツインズ・エフェクト』であり、クライマックスの大邸宅殴り込みは、塔ではなく横に広がる『死亡遊戯』。『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』に続き、丞威の見せ場もしっかりアリと、香港映画好きならニヤリのお楽しみも用意されている。おなじみの重厚なドラマに加え、土屋太鳳演じる操だけでなく、意外な助っ人も参戦するなど、お祭り気分で楽しみたい。
シリーズ最大級の熱量!!
『るろうに剣心最終章The Final』は、これまでのシリーズで最大級の熱量がこもった作品と言っていいでしょう。見る者を圧倒するアクションとドラマがぎっしりと詰まっています。
大友啓史監督とスタッフ陣はこれまでのシリーズで培ったノウハウを更に何倍にも昇華させて、凄まじい一本に仕上げました。主演の佐藤健とレギュラーメンバーの円熟具合とそれを独りで受け止める新田真剣佑の存在感には最後まで目が離せません。
見る時に少しの覚悟と体力が要るかもしれませんが、それでも必見の超大作エンターテイメントに仕上がっています。少しでも大きなスクリーンで是非!!
日本映画として、最高級クラスのアクションに疑いはない
冒頭から実感する。
日本映画として、ここまできっちりアクションを観せ、酔わせる作品は、他にないと。
緻密な設計による谷垣健治×大友監督の演出(集団もゴチャゴチャにならない、空間の美しい使い方など)に、動ける俳優たちが肉体芸として躍動する。過去のシリーズも上回るプロの仕事。
あまりにちゃんと観せすぎるので、逆にバイオレントに燃えないとか、また物語として、個人的な恨みが発端なのに復讐が大掛かりすぎるとか、そういったツッコミどころも、アクション芸術の完成度の中で、気にならなくなるから不思議。
原作モノでシリーズゆえに仕方ないけれど、剣心のキャラの一部は、佐藤健の現在に合わせて省いても良かった気も。