いつか輝いていた彼女は (2018):映画短評
いつか輝いていた彼女は (2018)青春が一気に遠ざかる脅威の35分
ディテールの鋭さにヤラれた、という点では最近有数! 郊外の学園ものながら芸能科という特殊エリアに舞台を据えることで、『桐島』的スクールカーストの定番を大きく超えた。メインテーマは『アマデウス』にも通じる才能の残酷。無意識過剰の天才モーツァルトと、努力しても届かぬ事を内心知っているサリエリ+その他の構図。
監督・脚本の前田聖来は、言葉や態度に発現する小さな棘の致命傷を見過ごさない。超ソリッドな作劇&演出術。その中で普段からいちいちマウント取る、自意識に絡め取られて輝かない“ザコキャラ”を演じた三人、日高七海×里内伽奈×柳澤果那による絶妙な芝居のアンサンブルが作品の心臓部として輝きまくっている!
この短評にはネタバレを含んでいます